高千穂神社の概要
御祭神・由緒
高千穂神社(たかちほじんじゃ)は、宮崎県高千穂町の市街地に鎮座する由緒ある神社で、
「高千穂郷八十八社の総社」とされる、高千穂信仰の中心的な存在です。
主祭神には、天孫降臨の三代神とその妃神を総称した「高千穂皇神(たかちほすめがみ)」が祀られています。
その内訳は以下の6柱です。
・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
・彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
・豊玉姫命(とよたまひめのみこと)
・鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)
・玉依姫命(たまよりひめのみこと)
さらに、神武天皇の兄とされる「三毛入野命(みけいりのみこと)」とその妃「鵜目姫命(うめひめのみこと)」も祀られており、
この夫婦神にちなむ「夫婦杉」や、縁結び・家庭円満のご利益でも知られています。
また、境内には「十社大明神」として十三柱の神々が合祀されており、
多くの神を祀ることで、家内安全・五穀豊穣・商売繁盛など、幅広い願いを受け止めてくださる神社でもあります。

<由緒の案内板>
歴史
高千穂神社の創建は、およそ1900年前、垂仁天皇の御代と伝えられています。
『延喜式神名帳』にもその名が記載されており、「国史見在社(こくしげんざいしゃ)」として古くから重んじられてきました。
中世から近世にかけては、武家や皇族の参拝も相次ぎ、文永・弘安の役(元寇)の折には勅使が遣わされた記録もあります。南北朝時代には、征西将軍宮やその家臣たちが戦勝祈願に訪れたとされ、近代に入ってからも、大正天皇の弟・秩父宮殿下がご参拝されたことが記録されています。

<拝殿全景>
※提供:高千穂町観光協会
現在の本殿は、江戸時代中期の天和2年(1682年)に、延岡藩主・高橋元種公によって再建されたものです。
建築様式は「権現造り」で、重厚かつ荘厳な木造建築が今もなお美しく保存されています。
境内には、鎌倉時代に源頼朝の命を受けた家臣・畠山重忠が手植えしたと伝わる「秩父杉」もあり、時代を超えて守られてきた神域であることを感じさせてくれます。
自分と高千穂神社との関わり
この高千穂神社は、自分にとって少し特別な場所です。
というのも、地元・五ヶ瀬町に生まれ育った自分にとって、高千穂神社は「近くて遠い存在」でした。
天岩戸神社と同じく、子供の頃からなぜか「ここは怖い」と感じており、はっきりとした理由もないまま、足が遠のいていた場所だったのです。
そんな自分が初めて本格的な参拝をしたのは、実は帰郷してからのここ数年前という状態だったりします。
2021年に高千穂バイパスが開通していて、高千穂市街地のアクセスや混雑がかなり改善されたため、高千穂へ行くのが億劫でなくなり、何気ないドライブの途中で「寄ってみよう」と思い立ったのがキッカケでした。
いざ参道に足を踏み入れてみると、子供の頃に感じていた“怖さ”はまったくなく、杉木立に囲まれた空間は静かで澄んだ空気に満ちており、「こんなに落ち着く場所だったんだ」と拍子抜けしてしまいました。
それ以来、高千穂神社は自分にとって「ふと思い立ったときに参拝する神社」になりました。
アクセスの良さもあって、五ヶ瀬から高千穂方面に出かけたついでに立ち寄ることが多くなり、今ではとても身近な存在です。
ただ、参拝のたびに不思議に思うのは、神社の“空気”が日によって変わることでしょうか。
ある日は神域ならではの凛とした澄んだ気配を感じることがあるあと思えば、別の日には、なんとなく落ち着かない雰囲気を感じることもあります。
スピリチュアル的な感受性はほとんどない自分ですから、単に体調次第ということかもしれませんが、そういう自分に向き合う機会を与えてくれるような場所である事は確かだと思ってます。

<参道入口の鳥居>

<参道の狛犬と拝殿前の石段>
見どころ
夫婦杉

<2本並んで立つ夫婦杉>
拝殿前に立つ2本の大杉は「夫婦杉」と呼ばれており、高千穂神社の目玉の一つです。
神武天皇の兄・三毛入野命と、その妃・鵜目姫命の夫婦神を祀るこの神社において、まさに御神徳を体現するような御神木といえるでしょう。
この夫婦杉は、手をつないで3周まわると、夫婦円満・縁結びのご利益があるといわれ、観光客から地元の方々まで多くの人がその周囲を歩いていきます。
根元でしっかりと繋がり合うように立つ2本の杉の姿は、静かに力強く、そして美しく、見上げるたびに心が整うような気がします。
荒立神社・四皇子神社(境内摂社)
拝殿に向かって右手側には、ひっそりとたたずむ小さな合祀社が見えます。
こちらには、「荒立神社」と「四皇子神社」が一緒に祀られており、高千穂神社の摂社として大切にされています。
ここで注意したいのは、芸能の神様として知られ、有名人等がお忍びで訪れる「荒立神社(荒立宮)」は、この境内社とは別に独立した神社として高千穂町内に存在するという点です。
今回紹介するのはあくまで「高千穂神社境内にある摂社としての荒立宮」であり、前述した「荒立神社(荒立宮)」はまた別の記事にて紹介予定です。
小さな社ですが、落ち着いた雰囲気があり、拝殿への参拝後にぜひ立ち寄っていただきたい場所です。

<荒立神社と四皇子社の合殿>
秩父杉
境内の奥、拝殿の裏手に回ると、ひときわ大きくそびえる大杉が目に入ります。
これが、源頼朝公の代参として派遣された畠山重忠が手植えしたとされる「秩父杉(ちちぶすぎ)」です。
その樹齢は800年を超えるともいわれており、高さはおよそ55メートル、幹回りは7メートルを超える巨木。
「見上げる」という言葉がふさわしいその姿は、長い年月の重みを感じさせてくれます。
実はこの杉、もともと2本あったそうですが、1992年の台風で1本が倒木。
その倒れた1本は、現在の神楽殿の建築資材として使われたという話もあるそうです。
神社の歴史とともに生き続けてきた秩父杉。
その根元に立つだけで、言葉にならないような静かな感動がこみ上げてきます。
毎夜開催される夜神楽


<夜神楽の様子>
※提供:高千穂町観光協会
高千穂といえば“神話の舞台”としても知られており、
この地で継承されてきた「高千穂神楽」は、地域に根差した信仰文化そのものといえます。
その中でも観光客が気軽に体験できるのが、高千穂神社神楽殿で毎晩行われている「夜神楽」です。
上演は毎日20時から21時まで、年中無休で開催されています。
演目は、岩戸神話にまつわる以下の代表的な4番です。
・手力雄の舞(岩戸を開ける力強い神の舞)
・鈿女の舞(天照大神を誘い出すための舞)
・戸取の舞(岩戸隠れからの神々の奮闘)
・御神体の舞(夫婦神による豊穣と再生の祈り)
どれも神話のエッセンスを凝縮したような舞で、初めて見る人でも物語を自然と感じ取れる構成になっています。
会場では写真撮影もOKなので、旅の記録としてもおすすめです。
※高千穂神楽の拝観受付については、①インターネット予約(200名)と②当日受付(50名)があります。
詳細につきましては、高千穂町観光協会の公式サイトにてご確認下さい。
春の例大祭
高千穂神社では、毎年4月16日に春の例大祭が執り行われます。
この日は朝から神事が始まり、昼には神輿が「おのころ池」で禊を行い、その後は町中を練り歩く巡幸神事へと続きます。
この例大祭の日は、神社の境内や駐車場、さらには参道周辺に屋台や出店が立ち並び、まさに“地域ぐるみのお祭り”といった雰囲気になります。
子供の笑い声と太鼓の音が混ざり合い、普段の静寂とはまったく異なる、にぎやかな神社の姿が見られます。
超近場の人気グルメスポット「大舞神(おおまいごっど)」
参道の正面、旧国道218号線を挟んだ向かいにある唐揚げ屋さん「大舞神(オーマイゴッド)」。
ここは地元でも観光客でもファンが多く、特に看板メニューのチキン南蛮が絶品と評判のお店です。
宮崎出身の方で県外のチキン南蛮を食べた事がある方にはきっとご賛同いただけると思いますが「宮崎のチキン南蛮は他県のものとは一味違います」。
一度食べてみて下さい。その違いが必ず判るはずですので。
この大舞神も本格的な宮崎のチキン南蛮を提供してくれるお店です。
2025年の夏前にはリニューアル工事を終え、再オープンしたばかり。
店主のお兄さんが訪れる外国人観光客に英語で応対している姿が印象的で、以前平日に訪れたときには、店内は外国人観光客ばかりで日本人は自分のみという事もありました。
その場で食べてもよし、お持ち帰りにして車で移動してから食べるのもまた一興。参拝後のお楽しみにぴったりなスポットです。

<大舞神のお店の外観>
高千穂産のものではないのですが… 宮崎県産のものであれば、どこも絶品!
宮崎のものは食べた事ないというお方、ぜひ、ぜひ一度試してみて下さい。
きっとこの料理のイメージが覆ると思います。
宮崎出身の方で現在故郷を離れていらっしゃる方、懐かしい郷土の味はいかがでしょうか?
まとめ
子供の頃はなぜか怖くて近寄れなかった神社。
大人になって初めてその静けさと美しさに触れ、今ではふと訪れたくなるような“身近な神域”となりました。
高千穂神社には、ただの観光スポットとは異なる、不思議な「空気の揺らぎ」のようなものがあります。
その日の天気や自分の気分、あるいは神様の“気配”によって、感じるものが少しずつ違ってくる――
そんな場所だからこそ、何度でも足を運びたくなるのかもしれません。
高千穂を訪れる際は、ぜひこの神社にも立ち寄って、ただ写真を撮るだけではなく、
境内の空気を感じ、杉の匂いに包まれて、手を合わせてみてください。
アクセス
所在地:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井103
車/高千穂バスセンターから約5分
車/阿蘇熊本空港より約1時間30分
車/宮崎空港より約2時間15分
徒歩/高千穂バスセンターから約15分
※高千穂峡までも徒歩圏内(回遊ルートに最適)
駐車場:無料(約30〜100台)/例大祭時は満車注意
公式:高千穂町観光協会
🏨 宿泊について
旅のスタイルに合わせ、お好みの宿を探してみて下さい。
🚙 移動について
高千穂の観光は車・レンタカーでの移動が便利です。


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